日常生活の中での何気ないシーンで出会った、あるいは、気にかかった文字や語。普段使っているのに本当の意味や語源を知らないでいた言葉など、改めて調べてみようと始めたblogです。

2016年4月8日金曜日

❮蝦❯

❮蝦❯  えび・がま/か・が
▶かえる。ひきがえる。エビ。      【漢字辞典オンライン】

“エビで鯛を釣る”
のエビですね。(海老を使う方が多いかも)

この例の他には、一文字で目にすることはまずないでしょうが、「蝦夷」(えぞ・えみし・えびす)として表記されると、
“あ、あの字ね”となるのでは…。

えみしの「夷」の文字は、東方の異民族、野蛮人の意味を表します。
「蝦夷」については、歴史学、民族学など学術的あるいは差別問題の上で繊細な扱いをされるようで、ココでは難しいことには触れません。

学校の授業で、
“(日本列島内の)東方に暮らすまつろわぬ民を蔑称し、蝦夷と呼んだ”
的な説明をされた記憶があります。
蝦夷征伐として、当時、近畿にあった中央政府から征討軍が向けられ、最初の征夷大将軍・坂上田村麻呂が知られています。

筆者がこの文字に注目するのは、ココなのです。
今に繋がる日本国は、1300年ほど前に遡ると、この列島全体を治めていたのではない…
大和朝廷~日本という建国の歴史において、列島の先住民族国家を征討した。
それは、古代、元々列島にあった国々同士の争いが高じて大和朝廷勢力が台頭した結果なのか、あるいは、西日本・近畿に大陸や半島から渡ってきた一団が武力で列島を制覇していった結果なのかは定かではありませんが…(筆者は後者だろうと思っています)、少なくとも、長きにわたる征服・被征服の戦争があったということです。
単一民族による平和な国家が太古の昔から続いていたのではない事実。
征服する側される側の歴史を刻んだ結果、日本国があるのだということ。

そうした歴史を表すものとして、「蝦」という文字がその存在を主張しているような気がするのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿